就労継続支援B型事業所の利用者を増やす方法
- kyarikakuhamamatu
- 7月20日
- 読了時間: 28分
見学につながる営業・広報・支援づくりを本気で考える
はじめに
就労継続支援B型事業所を運営していると、多くの事業所が一度は悩むことがあります。
それが、「どうしたら利用者さんが増えるのか」という問題です。
新しく開所した事業所はもちろん、すでに運営している事業所でも、利用者数が安定しない、見学には来るけれど契約につながらない、相談支援専門員から紹介が来ない、SNSを投稿しているのに問い合わせが増えない、という悩みは珍しくありません。
就労継続支援B型は、ただ「空きがあります」と発信すれば利用者が増えるものではありません。
なぜなら、利用を検討している本人や家族、相談支援専門員、医療機関のスタッフは、事業所を選ぶときにかなり慎重だからです。
本人は、「自分に合う場所なのか」「人間関係で疲れないか」「作業についていけるのか」「体調が悪い日があっても大丈夫か」「通い続けられるのか」を気にしています。
家族は、「安心して通える場所なのか」「職員はきちんと見てくれるのか」「本人に無理をさせないか」「将来につながる支援をしてくれるのか」を見ています。
相談支援専門員や病院関係者は、「この人を紹介しても大丈夫か」「支援体制は安定しているか」「連絡や情報共有がしやすいか」「本人の特性に合うか」「途中でトラブルにならないか」を確認しています。
つまり、利用者を増やすためには、単に宣伝を増やすだけでは不十分です。
必要なのは、・見つけてもらうこと・安心してもらうこと・紹介しやすくすること・見学しやすくすること・体験後に「ここなら通えそう」と思ってもらうこと・利用開始後に継続して通える支援を整えること
この一連の流れを作ることです。
この記事では、就労継続支援B型事業所が利用者を増やすための具体的な方法を、営業、広報、SNS、関係機関連携、支援内容、作業内容、雰囲気づくりの視点から詳しくまとめます。
まず知っておきたいこと
B型事業所は「需要がある」一方で「選ばれない事業所」も出ている
就労継続支援B型は、障害福祉サービスの中でも利用者数が非常に多いサービスです。
厚生労働省の令和6年社会福祉施設等調査では、令和6年9月中の就労継続支援B型事業の利用実人員は502,992人とされています。
これは、就労系サービスの中でもかなり大きな規模です。
また、令和6年度の就労継続支援B型事業所の平均工賃は、全国平均で月額24,141円、静岡県では月額23,496円とされています。
この数字を見ると、就労継続支援B型には確かに大きなニーズがあります。
ただし、ここで注意しなければならないのは、「B型全体の利用者が多い」ことと、「自分の事業所に利用者が集まる」ことは別問題だということです。
B型事業所は全国的に増えており、利用者さんや支援者から見れば、選択肢が増えています。
つまり、これからのB型事業所は、「近くにあるから選ばれる」「空きがあるから紹介される」だけでは難しくなっていきます。
これから必要なのは、“この人には、この事業所が合いそう”と思ってもらえる特徴です。
利用者を増やすための基本構造
利用者を増やすためには、次の5段階で考える必要があります。
・認知まず、事業所の存在を知ってもらう。
・興味「どんな事業所なのか」「自分に合うのか」と思ってもらう。
・相談問い合わせ、資料請求、DM、電話、支援者からの相談につなげる。
・見学・体験実際に来てもらい、雰囲気や作業を確認してもらう。
・契約・継続利用開始後、安心して通い続けられる支援を行う。
多くの事業所がつまずくのは、最初の「認知」だけを頑張ってしまうことです。
たとえば、Instagramを投稿する。チラシを配る。病院に挨拶に行く。相談支援員に名刺を渡す。
これ自体は大切です。
しかし、相手がそのあとに、「詳しく見られるページ」「見学の流れが分かる記事」「作業内容が分かる投稿」「問い合わせしやすい導線」「紹介しやすい資料」にたどり着けなければ、問い合わせにはつながりません。
利用者を増やすには、営業単体ではなく、営業 × 広報 × 支援内容 × 導線設計で考える必要があります。
第1章 利用者を増やすための具体的な方法
ここからは、実際に利用者を増やすための方法を一つずつ整理します。
1. 知り合いに聞いてみる
最も始めやすい方法は、知り合いに聞いてみることです。
福祉業界は、紹介や口コミが非常に強い業界です。
特に開所直後や、まだ地域で認知されていない事業所の場合、最初の利用者獲得は知人や関係者経由になることもあります。
聞く相手の例は次の通りです。
・福祉関係の知人・医療関係の知人・相談支援専門員の知人・グループホーム関係者・訪問看護関係者・特別支援学校関係者・精神科デイケア関係者・過去の職場の同僚・地域活動でつながりのある人・利用者家族と接点がある人
この方法の良いところは、信頼がある状態から話が始まることです。
まったく知らない事業所より、知っている人から紹介された事業所のほうが、見学につながりやすいです。
ただし、注意点もあります。
知り合いにお願いするときに、「利用者さんを紹介してください」だけでは重くなりすぎます。
おすすめの言い方は、「浜松でB型を探している方がいたら、見学だけでもご案内できます」「パソコン作業に興味がある方がいたら、情報提供だけでもできます」「ご本人やご家族が迷っている段階でも相談できます」という伝え方です。
紹介する側の心理的ハードルを下げることが大切です。
2. 精神科病院・デイケア・PSWにアプローチする
精神科病院、精神科クリニック、精神科デイケア、PSWは、B型事業所にとって非常に重要な連携先です。
特に精神障害のある方の場合、退院後やデイケア利用後の次のステップとして、B型事業所が選択肢になることがあります。
アプローチ先の例は次の通りです。
・精神科病院の地域連携室・精神科病院のPSW・精神科デイケア・精神科クリニック・訪問看護ステーション・作業療法士・臨床心理士・公認心理師・精神保健福祉士
ここで重要なのは、単にチラシを置くだけではなく、「どんな人に合う事業所なのか」を明確に伝えることです。
たとえば、「パソコン作業に興味がある方」「人との関わりが多すぎる環境が苦手な方」「一般就労はまだ不安だが、働く練習をしたい方」「在宅ワークに関心がある方」「SNSやデザイン、ブログ作成に興味がある方」のように、紹介しやすい対象像を伝える必要があります。
病院やデイケア側は、利用者本人に合う場所を探しています。
そのため、「誰でも大歓迎です」よりも、「こういう方には合いやすいです」「こういう方は慎重に相談したいです」と伝えたほうが信頼されます。
3. 相談支援専門員に聞く
相談支援専門員へのアプローチは、利用者獲得において最重要の一つです。
B型の利用開始には、相談支援専門員が関わるケースが多くあります。
そのため、相談支援専門員から「この方にはあの事業所が合いそう」と思ってもらえるかどうかは、かなり大きいです。
ただし、相談支援専門員は非常に忙しいです。
そのため、長い説明をするよりも、短く、分かりやすく、紹介しやすい情報を届けることが重要です。
相談支援専門員に伝えるべき内容は次の通りです。
・事業所の対象者・主な作業内容・通所ペースの相談可否・在宅ワークの相談可否・送迎の有無・昼食の有無・工賃の目安・体験の流れ・見学の空き状況・受け入れ可能な曜日・支援で大切にしていること・苦手なケースや慎重に対応すべきケース・連絡方法・パンフレットやHPのURL
相談支援専門員が紹介しやすい事業所は、「情報が整理されている事業所」です。
紹介したいと思っても、情報が分かりにくいと、説明する側に負担がかかります。
そのため、相談支援員向けに、A4一枚の紹介資料を作るのがおすすめです。
4. グループホームにアプローチする
意外と重要なのが、グループホームです。
グループホームには、日中活動先を探している方がいることがあります。
すでにB型に通っている方でも、作業内容や人間関係、通所距離などの理由で、別の事業所を検討しているケースがあります。
アプローチ先の例は次の通りです。
・障がい者グループホーム・短期入所・生活介護事業所・地域活動支援センター・自立訓練事業所
グループホームに伝えるべき内容は、本人向けというよりも、支援者向けにするとよいです。
たとえば、「日中活動先を探している方がいれば、見学可能です」「パソコン作業に興味がある方の体験を受け付けています」「体調に波がある方も通所ペースから相談できます」「ご本人だけでなく、世話人さん・サービス管理責任者さんの同行も可能です」という形です。
グループホーム職員が安心して紹介できるように、見学同行OK、情報共有OK、体験後の振り返りOKを明確にしておくと強いです。
5. なかぽつに聞く
障害者就業・生活支援センター、いわゆる「なかぽつ」も重要な連携先です。
なかぽつは、就業面と生活面を一体的に支援する機関です。
一般就労を目指す方、就職後に定着で困っている方、生活面も含めて相談したい方などと接点があります。
B型事業所にとって、なかぽつは「利用者を紹介してもらう場所」というよりも、就労支援の地域ネットワークに入るための連携先として考えるとよいです。
アプローチするときは、「利用者さんを紹介してください」ではなく、「地域の就労支援の選択肢として、事業所の特徴を知っていただきたい」という姿勢がよいです。
なかぽつに伝えるべき内容は次の通りです。
・どんな作業があるか・一般就労に向けた支援ができるか・生活リズムづくりに対応できるか・体調に波がある方の受け入れができるか・就職前の準備段階として使えるか・企業実習や就職支援との連携意識があるか・本人の希望をどう支援するか
なかぽつは、ハローワークや障害者職業センター、福祉施設、特別支援学校などと連携する機関でもあります。
そのため、つながっておくことで、地域の就労支援ネットワークの中で事業所を知ってもらいやすくなります。
6. ハローワーク・障害者職業センターと連携する
B型事業所は、直接ハローワークから利用者が大量に来るというよりも、一般就労を目指す前段階の相談先として関係を作ることが大切です。
たとえば、「すぐに就職は難しいが、まずは生活リズムを整えたい」「作業経験を積んでから就職を考えたい」「就労移行支援に行く前に、B型で準備したい」という方がいます。
ハローワークや障害者職業センターに対しては、「就職困難な方の受け皿」としてではなく、「就職準備の前段階として活用できる場所」として伝えるとよいです。
7. 特別支援学校・通信制高校・サポート校とつながる
若い利用者を増やしたい場合、特別支援学校や通信制高校、サポート校との関係づくりも重要です。
卒業後の進路として、就労移行、A型、B型、生活介護、自立訓練などの選択肢があります。
B型事業所としては、「卒業後すぐに一般就労は不安」「A型の雇用契約はまだ難しい」「日中活動を通して働く練習をしたい」という方にとっての選択肢になります。
学校向けに伝えるべき内容は次の通りです。
・卒業後の進路として見学可能・保護者同伴の見学可能・教員や支援者の同行可能・パソコン作業の体験可能・進路相談の段階でも相談可能・本人の特性に合わせた作業提案が可能・通所ペースを相談できる
特に、パソコン作業、デザイン、SNS、動画編集などは、若い世代にとって興味を持ちやすい作業です。
8. Instagram・X・TikTok・YouTubeを使う
SNSは、利用者獲得に使えます。
ただし、SNSだけで利用者が増えると考えると危険です。
SNSの役割は、「知ってもらう」「雰囲気を伝える」「不安を減らす」「問い合わせページへ誘導する」ことです。
SNSで投稿すべき内容は次の通りです。
・事業所の雰囲気・作業内容・利用までの流れ・見学や体験の様子・よくある質問・利用者さんの作品・職員紹介・イベント紹介・在宅ワークの説明・ご家族向けの案内・相談支援員向けの案内・空き状況・見学受付中のお知らせ
SNSで注意したいのは、作品紹介だけで終わらせないことです。
利用者さんのデザインやブログを投稿するのは良いことです。
しかし、作品だけ載せても、見る人は「すごいですね」で終わってしまうことがあります。
問い合わせにつなげるには、投稿の最後に必ず、「このような作業を体験できます」「見学・体験受付中です」「浜松市・磐田市・袋井市周辺でB型を探している方はご相談ください」という導線を入れる必要があります。
9. HPブログ・Google検索対策を行う
SNSよりも安定して問い合わせにつながるのが、HPブログです。
なぜなら、SNSは流れていきますが、ブログは検索に残るからです。
特にB型を探している本人や家族、相談支援員は、Googleで検索することがあります。
検索されやすいキーワードの例は次の通りです。
・浜松市 就労継続支援B型・浜松 B型事業所・浜松 パソコン作業 B型・浜松 在宅ワーク B型・磐田 就労継続支援B型・袋井 就労継続支援B型・就労継続支援B型 見学・就労継続支援B型 体験・就労継続支援B型 パソコン作業・精神障害 B型 浜松・発達障害 B型 浜松
作るべき記事は次の通りです。
・事業所紹介記事・作業内容紹介記事・見学・体験・利用開始までの流れ・在宅ワークを希望する方へ・ご家族向けの記事・相談支援専門員向けの記事・パソコン作業ができるB型事業所を探している方へ・浜松市・磐田市・袋井市から通えるB型を探している方へ・利用者さんの声・よくある質問
HPブログは、SNS投稿の受け皿になります。
SNSで興味を持った人が、HPブログを読んで、安心して問い合わせる。
この流れを作ることが大切です。
10. Googleビジネスプロフィールを整える
地域で利用者を増やしたい場合、Googleビジネスプロフィールは非常に重要です。
「近くのB型事業所」「浜松 B型」「就労継続支援B型 浜松」と検索したときに、Googleマップ上で表示されるかどうかは、問い合わせ数に影響します。
整えるべき項目は次の通りです。
・事業所名・住所・電話番号・営業時間・ホームページURL・写真・外観写真・入口写真・作業スペースの写真・職員紹介・投稿機能でのお知らせ・見学受付中の案内・口コミへの返信・よくある質問
Googleマップで見たときに、写真が少ない、営業時間が分からない、HPがない、口コミ返信がない状態だと、不安を持たれやすくなります。
反対に、写真があり、説明があり、見学受付中と分かるだけで、問い合わせのハードルは下がります。
11. チラシを配布する・置いてもらう
チラシは今でも有効です。
ただし、チラシを置くだけで問い合わせが来ることは少ないです。
チラシは、相談支援員や病院関係者が本人に説明するときの補助資料として使われることが多いです。
つまり、チラシは「広告」ではなく、紹介しやすくするための道具として作るべきです。
チラシに入れるべき内容は次の通りです。
・事業所名・住所・電話番号・HP・Instagram・対象地域・主な作業内容・事業所の特徴・見学・体験受付中・家族・支援者同席可能・通所ペース相談可・在宅ワーク相談可・アクセス・写真・QRコード
チラシのタイトルは、「利用者募集」だけでは弱いです。
おすすめは、「パソコン作業に興味がある方へ」「自分のペースで働く練習を始めませんか?」「浜松市・磐田市・袋井市周辺でB型事業所を探している方へ」のように、本人の関心や悩みに寄せることです。
12. 講演会・説明会を開く
講演会や説明会は、即効性はやや低いですが、信頼形成には非常に有効です。
テーマの例は次の通りです。
・就労継続支援B型とは・精神障害のある方の働き方・在宅ワークと福祉サービス・パソコン作業で広がるB型の可能性・ご家族向け、福祉サービスの選び方・相談支援員向け、キャリカクの作業内容説明会・医療機関向け、退院後の日中活動の選択肢・企業向け、障がい福祉事業所への業務委託
講演会のポイントは、事業所の宣伝だけにしないことです。
参加者が学びを得られる内容にし、その中で事業所の特徴を自然に伝える形が良いです。
13. バス・電車広告
バスや電車広告は、認知を広げる効果はあります。
ただし、すぐに利用者獲得につながるかというと、費用対効果は慎重に考える必要があります。
交通広告が向いているのは、次のような場合です。
・すでに地域である程度認知がある・HPや問い合わせ導線が整っている・見学受付体制が整っている・広告費に余裕がある・駅近など交通導線と相性がよい・地域全体に名前を知ってもらいたい
開所直後や、まだHPやSNS、チラシ、相談支援員連携が整っていない段階で高額広告を打つのはおすすめしません。
広告を見た人が検索したときに、HPやブログ、Googleマップが弱いと、問い合わせにつながりにくいからです。
交通広告は、最後の拡大施策として考えるのがよいです。
14. 地域企業とのつながりを作る
B型事業所の利用者を増やすうえで、企業とのつながりも重要です。
なぜなら、魅力的な作業がある事業所は、利用者から選ばれやすいからです。
企業から案件を受けることで、利用者さんにとって、「実際の仕事に近い作業ができる」「工賃向上につながる」「自分の作業が社会とつながっていると感じられる」というメリットがあります。
企業に提案できる作業の例は次の通りです。
・データ入力・リスト作成・DM送信・フォーム送信・文字起こし・Canva画像作成・SNS投稿画像作成・ブログ下書き・アンケート入力・資料作成補助・封入作業・軽作業・動画編集補助・Web検索・マニュアル作成補助
企業案件が増えると、SNSやブログでも「このような作業に取り組んでいます」と発信しやすくなります。
結果として、利用者募集にもつながります。
15. 口コミを増やす
福祉サービスでは、口コミがとても強いです。
ただし、利用者さんに無理に口コミを書いてもらうのは避けるべきです。
自然な形で、安心感が伝わる声を集めることが大切です。
口コミとして発信できる内容の例は次の通りです。
・利用者さんの声・家族の声・相談支援員からの感想・体験後の感想・イベントの感想・作業に取り組んだ感想・職員から見た変化
個人が特定されないように配慮しながら、「最初は不安だったけど、少しずつ慣れてきた」「パソコン作業は難しいけど、できることが増えた」「人と話すのが苦手でも、自分のペースで通えている」というリアルな声を発信すると、見ている人は安心しやすくなります。
第2章 どの方法がもっとも効率的で、早く利用者獲得につながるのか
ここが一番気になるところだと思います。
結論から言うと、最も早く利用者獲得につながりやすいのは、相談支援専門員・精神科病院・グループホームへの直接アプローチです。
次に、Google検索・Googleマップ・HPブログです。
SNSは大切ですが、即効性よりも、安心感と認知づくりの役割が大きいです。
利用者獲得の効率ランキング
私が考える効率ランキングは次の通りです。
1位
相談支援専門員への直接アプローチ
もっとも効率的です。
理由は、相談支援専門員は利用希望者と直接つながっており、福祉サービスの利用開始に関わることが多いからです。
見学につながる可能性も高く、本人の状況もある程度整理された状態で相談が来やすいです。
ただし、信頼関係がないと紹介にはつながりません。
そのため、定期的に情報提供し、見学後や体験後の報告を丁寧に行い、紹介してよかったと思ってもらうことが大切です。
2位
精神科病院・デイケア・PSWへのアプローチ
精神障害のある方を対象にするなら、非常に有効です。
特に、退院後の日中活動、デイケア後のステップ、生活リズムづくり、就労準備などの文脈で紹介につながる可能性があります。
病院関係者は、安心して紹介できる事業所かどうかを見ています。
そのため、支援体制、連携方法、本人のペースへの配慮、体験の流れを分かりやすく伝えることが大切です。
3位
グループホームへのアプローチ
日中活動先を探している方がいるため、早い問い合わせにつながることがあります。
グループホーム側としても、入居者さんの日中活動先が安定することは大切です。
見学同行OK、体験後の振り返りOK、支援者との情報共有OKを伝えると、紹介しやすくなります。
4位
Google検索・Googleマップ・HPブログ
即効性は直接営業より少し落ちますが、中長期ではかなり強いです。
特に、本人や家族が自分で探す場合、Google検索やGoogleマップは重要です。
「浜松市 就労継続支援B型」「パソコン作業 B型 浜松」「在宅ワーク B型 浜松」などで検索したときに、事業所の情報が分かりやすく出てくる状態を作る必要があります。
5位
SNS運用
SNSは、すぐに契約につながるというより、見学前の安心材料として効果があります。
InstagramやTikTokで事業所の雰囲気を見て、HPブログで詳しく確認し、DMやフォームから問い合わせるという流れを作ると効果的です。
SNS単体ではなく、HPや問い合わせフォームとセットで運用することが大切です。
6位
チラシ配布
チラシは単独では弱いですが、相談支援員や病院、グループホームへの訪問時には有効です。
紹介する人が本人に説明しやすくなるからです。
つまり、チラシは「置くだけ」ではなく「説明とセット」で使うべきです。
7位
講演会・説明会
信頼形成には強いですが、準備に時間がかかります。
即効性よりも、地域での認知や専門性のアピールに向いています。
8位
バス・電車広告
認知拡大には使えますが、費用対効果は慎重に見るべきです。
HP、Googleマップ、問い合わせ導線が整っていない段階ではおすすめしません。
第3章
早く利用者を増やしたいなら、まず何をするべきか
最短で利用者獲得を狙うなら、次の順番で動くのが効率的です。
1週目
紹介されるための資料を作る
まず、A4一枚の事業所紹介資料を作ります。
入れる内容は次の通りです。
・事業所名・住所・電話番号・対象地域・主な作業内容・事業所の特徴・どんな方に合うか・見学・体験の流れ・同行者OK・通所ペース相談可・在宅ワーク相談可・問い合わせ先・QRコード
この資料がないまま営業しても、相手が紹介しづらいです。
まずは、紹介しやすい資料を作ることが最優先です。
2週目
相談支援専門員・病院・グループホームに訪問する
資料ができたら、直接連絡します。
連絡先の候補は次の通りです。
・相談支援事業所・精神科病院・精神科クリニック・デイケア・グループホーム・訪問看護・地域活動支援センター・なかぽつ・ハローワーク・特別支援学校
最初の訪問では、営業感を出しすぎないほうがいいです。
おすすめの言い方は、「浜松でパソコン作業中心のB型を運営しています。利用者さんを無理に紹介してほしいというより、まずは事業所の特徴を知っていただければと思い、ご挨拶に伺いました」です。
この言い方だと、相手も受け取りやすいです。
3週目
見学会を設定する
関係機関向けに、見学会を設定します。
たとえば、「相談支援専門員向け見学会」「グループホーム職員向け説明会」「病院関係者向け事業所見学」などです。
実際に事業所を見てもらうと、紹介のハードルが下がります。
4週目
SNSとHPで見学導線を強化する
訪問と並行して、SNSとHPを整えます。
特に作るべきページは次の通りです。
・事業所紹介・作業内容・見学・体験・利用開始までの流れ・よくある質問・利用者さんの声・ご家族向けページ・相談支援員向けページ
このページがあると、営業後に相手が本人へ紹介しやすくなります。
第4章 利用者が「利用したい」と思える事業所とは
利用者さんが通いたいと思うB型事業所には、いくつかの共通点があります。
それは、豪華な設備や派手な宣伝ではありません。
大切なのは、安心感分かりやすさ自分に合う作業人間関係の負担の少なさ続けられそうな雰囲気です。
1. 何をする場所なのか分かりやすい
利用者さんにとって、作業内容が分からない事業所は不安です。
「いろいろな作業があります」だけでは伝わりません。
具体的に、・リスト作成・データ入力・DM送信・Canvaデザイン・SNS投稿作成・ブログ作成・動画編集・文字起こし・軽作業のように、作業内容を見える化する必要があります。
さらに、「初心者でもできる作業」「慣れてきたら挑戦できる作業」「得意な方が取り組める作業」に分けて伝えると分かりやすいです。
2. 自分のペースで通えそうだと思える
B型を探している方の多くは、体調や生活リズムに不安があります。
そのため、「週5日来てください」「毎日しっかり作業しましょう」という雰囲気が強すぎると、見学前に不安になってしまいます。
もちろん、通所日数を増やすことや、作業時間を伸ばすことは大切です。
しかし、最初から高いハードルを見せるより、「まずは無理のないペースから相談できます」「体調に合わせて通所日数を考えます」「慣れてきたら少しずつ増やすこともできます」と伝えるほうが安心されます。
3. 職員に相談しやすい
利用者さんは、作業内容だけでなく、職員の雰囲気も見ています。
特に、精神障害や発達障害のある方、人間関係で傷ついた経験がある方にとって、「職員に質問しても大丈夫か」「否定されないか」「急かされないか」は非常に重要です。
通いたいと思える事業所は、・分からないことを聞きやすい・体調不良を伝えやすい・失敗しても責められない・必要以上に干渉されない・でも困ったときは見てくれるというバランスがあります。
4. 作業に意味を感じられる
利用者さんが継続して通うためには、作業に意味を感じられることも重要です。
単純作業が悪いわけではありません。
しかし、「何のためにこの作業をしているのか」「自分の作業がどう役に立っているのか」が分からないと、モチベーションが下がりやすくなります。
たとえば、「このリストは企業への案内に使われます」「このデザインはSNS投稿に使われます」「このブログは見学を迷っている方に読まれます」「この作業は企業の業務負担を減らします」と伝えるだけで、作業の意味が見えやすくなります。
5. 成長が見える
利用者さんにとって、「前よりできるようになった」と感じられることは大きな自信になります。
成長が見える支援の例は次の通りです。
・タイピング速度が上がった・入力ミスが減った・質問できるようになった・通所日数が増えた・集中できる時間が伸びた・デザインの修正回数が減った・ブログの文章量が増えた・作業手順を覚えられた・自分に合う作業が分かってきた
B型の支援では、工賃だけでなく、こうした変化を本人と共有することが大切です。
第5章 利用者が魅力を感じやすい作業内容
利用者さんが「やってみたい」と思いやすい作業には、いくつか特徴があります。
1. パソコン作業
近年、パソコン作業に興味がある利用者さんは多いです。
特に、身体的負担が少なく、将来の在宅ワークや一般就労につながるイメージを持ちやすいため、魅力を感じる方がいます。
作業例は次の通りです。
・データ入力・リスト作成・企業検索・フォーム送信・文字起こし・資料作成・マニュアル作成・スプレッドシート入力
パソコン作業は、作業実績が見えやすく、スキルアップも感じやすいです。
2. デザイン作業
Canvaなどを使ったデザイン作業は、人気が出やすい作業です。
理由は、完成物が目に見えるからです。
作業例は次の通りです。
・SNS投稿画像・ブログのアイキャッチ・チラシ・イベント案内・求人画像・施設紹介画像・バナー作成
デザイン作業は、自己表現にもつながります。
ただし、自由すぎると迷いやすい方もいるため、テンプレートや見本を用意することが大切です。
3. SNS関連作業
SNS投稿作成は、若い世代やスマホに慣れている方にとって興味を持ちやすい作業です。
作業例は次の通りです。
・Instagram投稿文作成・Xの投稿案作成・TikTok動画の構成案・YouTube Shortsのテロップ案・ハッシュタグ案・投稿画像作成・投稿カレンダー作成
SNS作業は、実際に投稿されると達成感につながります。
4. ブログ作成・文章作成
文章を書くことが好きな方には、ブログ作成も魅力的です。
作業例は次の通りです。
・事業所紹介記事・作業紹介記事・イベント感想・利用者向け記事・福祉に関する記事・求人記事・商品紹介文
文章作成は、考える力、伝える力、整理する力が育ちます。
5. 動画編集
動画編集は、興味を持つ方が多い一方で、難易度も高めです。
作業例は次の通りです。
・ショート動画編集・テロップ入れ・カット編集・BGM挿入・サムネイル作成・動画構成案作成
最初は短い動画から始めることが大切です。
6. 軽作業
パソコン作業が苦手な方や、手を動かす作業のほうが落ち着く方には、軽作業も大切です。
作業例は次の通りです。
・封入・シール貼り・梱包・検品・仕分け・袋詰め・発送準備
B型事業所としては、パソコン作業だけでなく、軽作業もあると、受け入れられる利用者層が広がります。
第6章 どんな支援を志すべきか
利用者を増やすためには、営業や広報だけでなく、支援の質が必要です。
見学者が増えても、体験で不安になったり、利用開始後に続かなかったりすれば意味がありません。
B型事業所が志すべき支援は、「通わせる支援」ではなく「通いたいと思える支援」です。
1. 本人のペースを尊重する支援
B型を利用する方の中には、体調に波がある方、過去の就労で傷ついた方、人間関係に不安がある方がいます。
そのため、支援者側の理想だけでペースを決めると、本人が苦しくなってしまいます。
大切なのは、本人の現在地を見極めることです。
・今は生活リズムを整える段階なのか・作業に慣れる段階なのか・通所日数を増やす段階なのか・一般就労を考える段階なのか・在宅ワークを検討する段階なのか
この段階を見誤らないことが重要です。
2. できない理由を責めず、できる条件を探す支援
支援で大切なのは、「なぜできないのか」を責めることではありません。
むしろ、「どういう条件ならできるのか」を一緒に探すことです。
たとえば、・作業手順が見えるとできる・見本があるとできる・静かな場所なら集中できる・午前中なら作業しやすい・短時間なら取り組める・選択肢が少ないと決めやすい・質問するタイミングが分かると安心する
このように、できる条件を見つけていくことが支援です。
3. 工賃と安心の両方を大切にする支援
B型事業所では、工賃向上も重要です。
しかし、工賃だけを追いすぎると、利用者さんに過度な負担がかかることがあります。
反対に、安心だけを重視しすぎて作業の質や工賃向上を考えないと、就労支援としての魅力が弱くなります。
大切なのは、安心して取り組める作業の中で、少しずつ工賃向上を目指すことです。
本人の負担と作業価値のバランスを取りながら、継続できる仕組みを作る必要があります。
4. 支援者が一人で抱え込まない支援
良い事業所は、職員が一人で抱え込まない仕組みがあります。
利用者さんの状態変化、作業中の困りごと、対人面の不安、体調面の変化などは、職員間で共有する必要があります。
支援の質を上げるには、・日々の記録・申し送り・定期面談・作業状況の共有・支援方針の統一・関係機関との連携が欠かせません。
職員によって対応がバラバラだと、利用者さんは不安になります。
第7章 通いたいと思える雰囲気とは
事業所の雰囲気は、利用者獲得に大きく影響します。
見学者は、説明内容だけでなく、空気感を見ています。
1. 静かすぎず、騒がしすぎない
B型事業所は、落ち着いて過ごせる雰囲気が大切です。
特に精神障害や発達障害のある方は、音や人の動きに敏感な場合があります。
一方で、静かすぎると緊張してしまう方もいます。
大切なのは、「集中できるけど、質問もしやすい」という雰囲気です。
2. 職員の声かけが穏やか
見学者は、職員が利用者さんにどう声をかけているかを見ています。
強い口調、急かす言い方、雑な対応があると、見学者は不安になります。
反対に、「大丈夫ですよ」「分からないところは一緒に確認しましょう」「ここまでできていますね」「疲れていませんか」という声かけが自然にあると、安心感につながります。
3. 利用者さんが自然に過ごしている
見学時、利用者さんが無理に明るく振る舞っている必要はありません。
むしろ、自然に作業している様子、落ち着いて過ごしている様子、必要なときに職員へ質問している様子が見えるほうが安心されます。
4. 見学者が放置されない
見学者は緊張しています。
来所時に誰も気づかない、説明が雑、質問しづらい、資料がない、という状態だと不安になります。
見学対応では、・来所時の挨拶・座る場所の案内・飲み物や休憩の配慮・資料の準備・説明の分かりやすさ・質問しやすい雰囲気・帰宅後の流れの説明が大切です。
見学対応そのものが、事業所の支援力として見られています。
第8章 利用者獲得で失敗しやすいパターン
利用者が増えない事業所には、いくつか共通点があります。
1. 作業内容が分かりにくい
「軽作業があります」「パソコン作業があります」だけでは伝わりません。
具体的に何をするのか、どんな人に向いているのか、初心者でもできるのかを伝える必要があります。
2. 見学までの導線が分かりにくい
HPやSNSを見ても、「どこから問い合わせればいいのか」「見学できるのか」「家族同伴でいいのか」「持ち物は何か」が分からないと、問い合わせ前に離脱します。
3. 支援者に情報共有しない
相談支援専門員から紹介されたあと、見学結果や体験結果を共有しないと、次の紹介につながりにくくなります。
紹介してくれた人に、「紹介してよかった」と思ってもらうことが大切です。
4. いいことしか発信しない
SNSやブログで、良いことばかり発信すると、かえって不安になる人もいます。
リアルな発信も必要です。
たとえば、「パソコン作業は最初は難しく感じることもあります」「分からないときは職員に確認しながら進めます」「体調に波がある方も、通所ペースを相談できます」のように、現実的な不安にも触れることが大切です。
第9章 まとめ
利用者を増やす本質は、営業ではなく「選ばれる理由」を作ること
就労継続支援B型事業所の利用者を増やすには、営業やSNSだけでは不十分です。
もちろん、知り合いに聞く、病院やデイケアにアプローチする、相談支援員とつながる、InstagramやXで発信する、チラシを配る、講演会を開く、なかぽつに相談する、という方法はどれも大切です。
しかし、本当に大切なのは、紹介したくなる事業所見学したくなる事業所体験後に通いたくなる事業所利用開始後に続けたくなる事業所を作ることです。
最も早く利用者獲得につながりやすいのは、相談支援専門員、精神科病院、グループホームへの直接アプローチです。
そのうえで、HPブログ、Googleマップ、SNS、チラシを整えて、問い合わせ導線を作る。
さらに、作業内容を魅力的にし、本人が安心して通える雰囲気を作る。
この流れができると、利用者獲得は単発の営業ではなく、継続的な仕組みになります。
B型事業所が目指すべきなのは、「とにかく人数を増やすこと」ではありません。
本当に目指すべきなのは、「この人には、この事業所が合っている」と思ってもらえる支援を作ることです。
その結果として、見学が増え、体験が増え、契約が増え、継続して通える利用者さんが増えていきます。
利用者を増やす一番の近道は、地域に必要とされる事業所になることです。
そして、地域に必要とされる事業所とは、作業内容が魅力的で、支援が丁寧で、雰囲気が安心できて、関係機関が紹介しやすく、本人が「ここなら通えそう」と思える事業所です。
その土台を作りながら、営業と広報を続けていくこと。
それが、就労継続支援B型事業所の利用者を増やすための本質です。

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